【感想】ルカの福音書(10)イエスの割礼とマリアの清め2:21~24

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 今回はルカの福音書2:21~24までです。

ここまでの文脈

 バプテスマのヨハネが生まれた頃、ローマ皇帝アウグストゥスから人口調査の勅令が出され、ヨセフとマリアはベツレヘムへ上り、そこでマリアは男の子を出産する。マリアが出産した夜、羊飼い達へ天使からの告知あり、彼らは生まれたばかりの赤子を礼拝する。

今回の聖書箇所を要約すると

  • 男の子は、生まれて8日目に割礼を受け、イエス命名される。
  • エスは、割礼により、ユダヤ人及び人類全般と一体化された。
  • マリアのきよめの期間ののち、マリアの清めとイエスの奉献のため、ヨセフ一家は神殿に上り、いけにえを献げる。

感想・気づき

 イエスアブラハム契約のしるしとして、またレビ記12:3の規定に従って、生まれて8日目に割礼を施された。割礼を受けた人は「律法全体を行う義務(ガラテヤ5:3)」が生じる。そして、割礼を受けたユダヤ人は異邦人から区別される。このことにより、イエスは律法の下でユダヤ人と一体化した。

 また、割礼は血を流す儀式だが、これは人が生まれたときから罪の中にいることを暗示している。このことは、イエスは割礼を通じて、原罪を追っている全人類とも一体化した。

 このようにして、イエスは、ユダヤ人と異邦人と両方の救い主となった。

 

 ルカ2:22〜24は、マリアの清めとイエスの奉献について書かれているが、両方混ざっているので、少しわかりにくい。

 この箇所の前提として、レビ12:2〜8に出産した女性の、きよめの規定が記されている。男子を生んだ場合、出産後7日間は汚れの期間とされ、8日目に生まれた男の子に割礼を施す。そして、血のきよめのためにさらに33日間こもる。きよめの期間が満ちたら、全焼のいけにえと、罪のきよめのささげ物を神殿で捧げる。

 また、長子の奉献については出エジプト13:2、15に記されている。

 ルカ2:22〜24はヨセフとマリアとは以上の規定を守っていたことがわかる。しかし、この箇所はキアズム(交差対句法)で書かれているので、内容がわかりにくくなっている。

 つまり、2:22a:マリアの清め、2:22bイエスの奉献、2:23イエスの奉献、2:24マリアの清め、という形で書かれている。この点を意識するとはっきりと意味がよくわかる。

 

 また、ここでマリアは「もし彼女に羊を買う余裕がなければ、二羽の山鳩か、二羽の家鳩のひなを取り、一羽は全焼のささげ物、もう一羽は罪のきよめのささげ物とする(レビ12:8)」という規定に従っていけにえを捧げている。つまり、イエスが生まれたの貧しい家庭だったということだ。また、黄金をイエスに捧げた東方の博士たちもまた、ベツレヘムを訪れていなかったということも意味している。

 

 今回のメッセージの聖書箇所はたった4節だったけど、情報量が多く、