【感想】ルカの福音書(8)イエスの誕生2:1~7

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 今回はルカの福音書2:1~7までです。

ここまでの文脈

 ヨハネとイエスとの対比が続いている。それぞれ、①誕生の告知、②実際の誕生物語、③人々の喜びという順で続く。前回はヨハネの③までが終わった。

 ルカの福音書の第2章では、イエスの誕生物語を詳細に記録している。これはルカの福音書にのみ記録されている内容である。

 この対比で一貫してルカが主張しているのは、ヨハネよりもイエスの方が偉大であるということである。

今回の聖書箇所を要約すると

感想・気づき

 アウグストゥスなどの歴史上の有名人物の名前が出てくると、「聖書の記述も、正に歴史の一部であり、史実なんだ。」という感じがする。世界史も復習しないとな。

 

 ヨセフは住民登録のために、「ユダヤベツレヘムというダビデの町」に帰った。これはヨセフの先祖がダビデであり、ダビデの家系に属していることを示している。また、考古学上の発見によりベツレヘムからナザレに移住する人たちが、ある時期かなりたくさんいたことが判明しており、ヨセフの先祖も同じように移住したと考えられる。

 また、「ダビデの町」とは旧約聖書では、エルサレムの南側の地区を指すが、ルカの福音書ではベツレヘムを指している。これは、ルカが、ベツレヘムダビデを関連付けているからである。

 また、妊娠中のマリアもヨセフと共にベツレヘムへ移動しているが、その理由はいろいろ考えられる。①マリアもベツレヘムで登録する必要があった(シリア(パレスチナを含む)では女子にも人頭税がかけられていた)、②ナザレでの噂話を避けるため、③出産時にヨセフにそばにいて欲しかった、④イエスがメシアであることを知っていたので、ミカ書の預言を意識した、などである。

 マリアもダビデの家系に属していることから①はあり得るだろうし、マリアのマグニフィカートからわかる旧約聖書に対する知識の深さから④も十分に考えられる。ダビデ契約によれば、メシアはダビデの子孫から生まれるので、ヨセフとマリアとが共にダビデの家系に属していることを示すのは、ルカも意図していただろう。

 

 イエスは生まれた直後に家畜の飼い葉桶に寝かされた。イエスのこのみすぼらしい始まりは、受難の予表になっている。イエスは王であるにも関わらず、王宮ではなく、飼い葉桶の中に寝かされ、貧しい者たちや弱い者たちと一つになられた。イエスは誕生の時から、この世には居場所がなく、この世から拒否され続けたが、その究極的な状態が十字架刑である。