【感想】30日でわかる聖書 マタイの福音書(4)メシアの戦略

 聖書の言葉をあなたへ ハーベスト・タイム・ミニストリーズというサイトで無料で聞くことができる、聖書の講解メッセージの感想を書いています。
 今回のメッセージはここで聞けます(2007年10月15日)→

©️ハーベスト・タイム・ミニストリーズ
message-station.net

 メッセージのアウトラインはこちら

 今回はマタイの福音書第4章です。

ここまでの文脈

 マタイの福音書第1章ではメシアの系図が、第2章ではメシア預言の引用が、第3章は先駆者バプテスマのヨハネとメシアの登場が描かれた。マタイの福音書第4章では、メシアのテスト、メシアの戦略が記されている。

今回の聖書箇所を要約すると

  • 40日の断食後、イエスは悪魔から試みを受ける。
  • エスは、イスラエルの民の代表、人類一般の代表、メシア(神の子)という3つの立場で試みを受け、勝利する。
  • エスは、ナザレからカペナウムへと移り、種々の奇跡を行いながら宣教を開始する。

感想・気づき

 イエスが悪魔から誘惑を受けた際、イエスは全て申命記から引用して悪魔に反論している。申命記イスラエルの民と神との「契約の書」なので、そこから引用している訳だが、イスラエルの民は契約に違反してしまったが、イエスはそれを引用することで悪魔の誘惑に打ち勝った。そして、イエスはその生涯において、完全にこの契約を守っていくことになる。いかに申命記が重要な書であるかということだ。また、このことは、イエスイスラエルの民の代表として悪魔の誘惑に打ち勝ったことも意味している。

 

 へブル4:15でイエスについて、「私たちの大祭司は、私たちの弱さに同情できない方ではありません。罪は犯されませんでしたが、全ての点で、私たちと同じように、試みに会われたのです。」、また、Ⅰヨハネ2:16では、「すべての世にあるもの、すなわち、肉の欲、目の欲、暮らし向きの自慢などは、御父から出たものではなく、この世から出たものだからです。」書かれてます。イエスは人類一般の代表として、「肉の欲」、「目の欲」、「生活のおごり」について誘惑を受けました。

 空腹に対して、石をパンに変えればいいというのが「肉の誘惑」、「国々とその栄華」は「目の欲」、「下に身を投げてみなさい」というのが「生活のおごり」にそれぞれ対応しています。しかし、イエスは誘惑にはあったが、「罪は犯されませんでした」。

 この世から出た誘惑は、全て非常に身につまされます。全て「欲しいなー」と思ってしまうものばかりです。

 

 悪魔の試みの後、イエスは、ペテロ、アンデレ、ヤコブヨハネを弟子としてついてくるように召している。ここだけ読むと、イエスが急に言って、すぐに彼らがついてきているかのような、奇妙な文章に思える。しかし、ヨハネ福音書1章を見ると、彼らはバプテスマのヨハネの弟子で、彼がイエスをメシアだと示したのを知っていた。また、マタイの福音書では割愛されているが、ルカ5:1~11を見ると、この4人の弟子の召命の直前にイエスは彼らの前で大漁の奇跡を行っている。これらのことから、4人がイエスの召命をすぐに受け入れたことは、全く不自然なことではなかったのだ。

 この解説も、ただただなるほどな~と思うばかりだった。とても面白い。