【感想】創世記(20)—セムの歴史—
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今回のメッセージはここで聞けます(2008年11月3日)→
©️ハーベスト・タイム・ミニストリーズ
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このメッセージのアウトラインはこちら。
今回は創世記11:10~25までです。
ここまでの文脈
創世記には11の区分(トルドット)がある。今回の箇所は第5の区分で「セムの歴史」である。
今回の聖書箇所を要約すると
- このトルドットは、第1から第4の区分と、第6の区分以降との橋渡しであり、アブラム(アブラハム)が登場する準備になっている。
- アダムからイサクまでは3世代でつながる。
- アブラムが登場することで、これ以降、聖書は全人類についての話から、特定の民族の話へと移行する。
感想・気づき
今回の箇所は、無味乾燥な系図だが、解説を聞くと面白かった。
この系図には、セムからアブラムの誕生までが記録されているが、彼らの寿命がどんどん短くなっていく。まずは、セムとその子アルパクシャデ以降とで、大きく寿命が異なる。セムは600才まで生きたが、アルパクシャデからエベルまでは433才~464才となっている。また、ペレグ以降もぐっと寿命が短くなり、最も長寿な者で239才となっている。
セムとアルパクシャデの間にはノアの大洪水があり、ペレグの生まれる前にはバベルの塔事件があった。どちらも神の裁きであり、その度に人間の寿命が短くなったということだ。アダムが知恵の実を食べるまでは、「死」はなかったが、神から裁きを受けるたびに「死」が導入され、その上寿命もどんどん短くなったということだ。
ちなみに、「ペレグ」という名前は「分ける」という意味で、「彼の時代に地が分けられたからである。(創10:25)」というのは、バベルの塔事件のことを指している。
また、創世記第5章のアダムの系図と今回の系図等を検討すると、アダムが死んだ時点で、9代目のメレクは56才だった。同じように、レメクが死んだ時、11代目のセムは95才。セムが死んだ時、21代目のイサクは48才だったことがわかる。アダム、レメク、セム、イサクと3世代でアダムからイサクまで繋がる。だから、アダムの時代の伝承なども、相当正確に伝えられることができたと考えられる。この聖書の記録を神話と取るた、歴史記録と取るかは個々人の信仰に委ねられている。
さて、神はアブラムを選んで以降聖書は、全人類のことではなく、イスラエル民族に焦点を当てて進んでいく。人類は、アダムの堕落、ノアの大洪水、バベルの塔事件と神との契約を3度も破ってきた。これらのことがあったので、神は特定の民族を選び、その民族から全人類に対する救いをもたらそうとするように方向転換した。また、地球全体から、一つの土地の話への以降でもある。今回の箇所は全人類の話を一区切りつけて、イスラエル民族の話へと方向転換する、橋渡しのための系図だった。