【感想】創世記(11)—セツの流れ—

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 今回のメッセージはここで聞けます(2008年8月18日)→

©️ハーベスト・タイム・ミニストリーズ
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 このメッセージのアウトラインはこちら

 今回は創世記5:1~32までです。

ここまでの文脈

 創世記には11の区分(トルドット)がある。創世記5:1~6:8は第2のトルドット。このトルドットでは、セツの家系である「女の子孫(種)」、「約束の子孫(種)」の流れを追っていく。

今回のメッセージを要約すると

  • アダムの創造からノアの洪水までは1656年で、ノア以外の「約束の子孫(種)」は全て洪水の前に死んでおり、神に裁かれていない。
  • アダムは930歳で死に、ノアとは2世代しか離れていない。
  • 神は「約束の子孫(種)」を守り、その記録を残された。これらのことは歴史的事実として旧新約聖書が証言している(ex. Ⅰ歴代1:1~4、ルカ3:36~38)。

感想・気づき

 セツは、アダムの子として、「神のかたち」ではなく、「彼(=アダム)のかたちどおりの子」として生まれた。アダムは元々「神のかたち」に創造されたが、堕落によって原罪を持つようになった。セツも、「神のかたち」に「原罪」を宿した状態で生まれた。以後の人類も全て「原罪」を遺伝的に宿して生まれてくることになる。

 「彼のかたち」という、ちょっとした言葉遣いの違いだが、これが「原罪」がアダムから受け継がれていることの説明になっている。聖書の中で、はっきりとこのことが書かれていることに驚いた。

 

 アダムから数えて8代目のメトシェラは「槍の人」または、「彼が死ぬとそれは送られてくる」という意味の名前を持つ。「それ」というのはノアの洪水を指している。メトシェラの父・エノクは預言者でもあった(cf. ユダ14~15)ので、子供に預言的な意味を持つ名前を付けた。そして、メトシェラが死んだ年に、ノアの大洪水が起こっている。この箇所の系図の表を作ればわかることなのだが、非常に面白い。

 また、エノクは「神とともに歩んだ(創5:14)」が、この「ともに歩んだ」とは、「園を歩き回られる神(創3:8)」の「歩き回る」と同じ動詞で、交わりを強調する言葉であると解説されていた。また、「忠実な僕の奉仕」も意味する。エノクは生きたまま神によって天に上げられた。これは、クリスチャンの携挙の型になっている。

 

 この頃の人類は非常に長寿だったようで、アダムが死んだ時、ノアの父・レメクは56歳だった。長寿だったが、それでも肉体的に死ぬようになったということは、創世記3:4でサタンが知恵の実を食べても「決して死にません」と言ったのは噓だったということだ。「ひとりの人によって罪が世界にはいり、罪によって死がはいり、こうして死が全人類に広がった(ローマ5:12)」のだ。

 また、ルカ3:36~38では、今回の箇所に登場する人物を歴史的事実として記録している。今回のメッセージを聞くと、このルカの書き残した系図について、今までよりもリアリティーを感じられるようになった。