【感想】神の国と悪魔の国(パートⅡ.旧約時代6章 バベルの塔)

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 今回のメッセージはここで聞けます(2022年2月8日)→

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これまでの話

 このシリーズでは、「神の国と悪魔の国の葛藤」というテーマを軸に、聖書を読み解く。このテーマは、聖書の歴史哲学の中心である。

 サタンは自身の悪魔の国を造ることを達成したかに思えた。しかし、実際には神は直ちにサタンを滅ぼすことができたがそうはせず、創世記第3章15節で福音の原型を示した。

 カインとアベル事件とセツの誕生以降、サタンは堕天使と人間との雑婚を進めて、人類の堕落を推し進めた。

今回のメッセージを要約すると

  • 大洪水で、箱舟に入ったノア一家以外の人類は滅び、ノア契約を通じてノアは第二のアダムとして位置づけられ、人類の歴史が再び始まった。
  • ノア契約により、死刑制度と人間政府が創設された。
  • バベルの塔事件により、それまで一つの言語だった人類は多言語になり、言語グループごとに散らされた。

感想・気づき

 ノア契約では、死刑が定められている。「人の血を流すものは、人によって血を流される(創9:6)」というのがそれである。また、この死刑制度を合法的に実行するためには人間政府の存在が必要となるため、言外に人間政府の創設も意味しているとされている。

 また、神は虹がノア契約のしるしであるとされた。ノアは人類の歴史上初めて虹を見た(大洪水が起こるまでは、気候が現在と全く違ったので虹を観測することはなかった)。現在でも虹は自然現象として観測されるので、ノア契約は今も有効である。この契約は無条件契約であり、破棄されることなく続いている。

 

 バベルの塔の「バベル」という言葉は「神の門」という意味である。この「天に届く塔」を作ろうとしたのは、占星術を行い、神の領域に届こうとしたのである。これは誤った宗教の原型である。この塔はこの誤った宗教を創設する目的で建てられたのである。

 バベルの塔を建てた指導者であるニムロデは、のちにバビロンの主神であるマルドゥクとして崇められるようになる。マルドゥクは、メロダクやベルとも呼ばれている。

 神が「人間が建てた町と塔を見るために降りて来られた(創11:5)」という言う時、これは擬人法を用いて神の行動と思いを、風刺的に表現している。人が天まで届く塔を建てようとしても、それは所詮神からしたら、降りてこなければ見ることはできない。人が神の高みに届くことは不可能であり、そう考える事自体が人間の側の傲慢、プライドから出てくることで、人間の根本的な罪である。