【感想】30日でわかる聖書 マタイの福音書(24)

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 今回のメッセージはここで聞けます(2008年3月31日)→

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 今回はマタイの福音書24:1~24:31までです。

ここまでの文脈

 マタイ23:39でイエスの公生涯は終わった。24章以降は弟子達に教えるのみになる。

 マタイの福音書第24章で登場する神殿は、B.C.20年からヘロデ大王が着工し、A.D.64年に完成したもので、当時(A.D.30年)の時点ではまだ建設途中だった。

 この神殿の前で、イエスは神殿崩壊の預言を語った。弟子たちは不安になり、①神殿の崩壊はいつ起こり、そのしるしは何か、②メシアの再臨はいつ起こり、そのしるし何か、③世の終わりはいつ来るのか、そのしるしは何か、という3つの質問をし、イエスはそれらに回答する。

今回のメッセージを要約すると

  • 「世の終わり」(=メシア的王国が到来する前の終末時代)が始まるしるしは、世界戦争の勃発、飢饉と地震の増加である。
  • 「神殿の崩壊」のしるしは、エルサレムが軍隊に包囲されること(ルカ21:20)で、これが起きたらエルサレムの滅亡は近い。
  • 「メシアの再臨」のしるしは、大患難時代の最後に地球が暗闇に包まれた時に天に現われる。その後メシアは雲に乗ってやって来る。

感想・気づき

 今回のメッセージは情報量が多すぎて頭がクタクタになりました。特に「メシアの再臨」については、旧約聖書の預言との関係が非常に密接で難しかった。解説の中で紹介されていた、旧約聖書の各箇所をあとでじっくり読んでみよう。

 

 神殿崩壊の預言は、実際にA.D.70年のエルサレム崩壊の際に既に成就した。

 その4年前のA.D.66年に一度エルサレムはローマ軍に包囲された。A.D.68年にローマで政変(皇帝ネロの自殺)があったため、ローマ軍の総司令官ヴェスパシアヌスは帰国し、一時包囲が解かれた。これを当時のイエスを信じたユダヤ人信者たち(メシアニック・ジュー)はイエスの預言したエルサレム崩壊の前触れだと判断した。

 だから、A.D.70年に再びローマ軍が進軍し、エルサレムを滅ぼした際、メシアニック・ジューは全員エルサレムから脱出し、ひとりも死ななかった。これが、「イエスを信じたユダヤ人は裏切り者」というレッテルを張られるようになる原因の一つになっている。

 A.D.132年に起きたバル・コクバの乱においても、当初は反乱に参加していたメシアニック・ジューたちは、ラビ・アキバがバル・コクバをメシアであると宣言したので、その反乱から離反した。彼らはイエス以外にメシアを認めないためだ。この離反により、「メシアニック・ジューは裏切り者である」という評価は決定的になってしまった。

 これらの出来事は預言の成就だということは印象的だ。また、イエスを信じるユダヤ人が、ユダヤ教のメインストリームから除外されていくのは、実はバル・コクバの乱以降のことなのだと知ることができる。この事実はとても興味深い。

 

 メッセンジャーの解釈によると、第一次世界大戦第二次世界大戦とがマタイ24:7で預言されている世界大戦のことで、現代はすでに終わりの時代に突入しているという見立ててである。そして、第一次世界大戦シオニズム運動に拍車をかけ、第二次世界大戦イスラエルの建国につながった。国際関係の個々の出来事について、それが聖書預言と関係があるかどうかは、その出来事がユダヤ人にどういう影響を与えているかで判断すべきだという。この終わりの時代がいつまで続くのかはわからないが、とても面白い聖書解釈だと思う。